相手である、彼の分析が終わると、今度はそれを検証する。それがなかなか骨が折れる。分析したものをまとめるるからだ。100の分析があったら、まず5にしなければならない。
人間がやれる能力は五つまでである。それが理想で、何でもかんでも分析通りにやると時間ばっかりかかって、タイミングをのがしてしまう。彼女は急いでいた。
「彼からは二週間も連絡きてない・・他に女ができたと思う?」
こっちから、メールしても返事なし、電話してもでない。だんだん気持ちがすさんでくる。どうしょう・・どうしょうと気持ちばかりあせり。どうしていいか方法が見えてこない。
ということは、彼は携帯の着信拒否はまだしてないし、送られたメールは読んでるなと判断。そこで彼女に断って、いままで彼に送ったメールの内容を見させてもらう。「うーん凄い数」一件一件見ていく。
なるほど、これじゃ。彼から返事ないかな?
男にとって面白くない内容である。付き合い初めなら男もどんな些細なものでも飛びつくが、今の二人の関係では、男は興味示さない内容である。まず、そこから感じたものは男の批判である。「何考えてるの?どうするの?」というプレッシャーである。そして、最後のほうはケンカメールである。
ああ、これは男が、このままでは自由を奪われると感じてるなと判断。ようするに、この恋愛の責任を取りたくないのである。その原因は彼女が男にとって重くなってきたからである。
そうなると男はさっさっと逃げ出したくなる動物である。重い女はイヤなのである。そして嫌いになる。嫌いになるのに男にはちゃんとした理由はないのである。本能からくる生理的な女のイヤな部分と、男としてのプライドと自由を奪われたとき男は女を嫌いになるのである。
メールの内容を変えよう。「男が興味示す内容に」。これが第一段階の計画である。
彼の性格分析はできている。好みの女性像も分かっている。社会的能力も分かっている。そういったものを加味して、メールに味付けするのである。