意志を決める

 よりを戻すには、もっとも難しい相手。

 「真里菜さん、彼とはどんな別れ方をしたのですか」と私は、別れに至るいきさつを聞いてみることにした。
 別れは、彼から言い出した。彼女は必死に泣きながらあやまり、すがりつく。こういう場合、一方的に女性のほうがパニックになる。、ウソ、まさか、イヤダ、これは夢だ、現実ではない。ただ、彼を失いたくない思いで、必死になる。彼女はヒステリックになり、ただ泣きじゃくるだけ、話にならない。

 優しい彼は、あわれな彼女の姿をみて、その日は別れることができなかった。別れを決心した男も辛いのだ。さんざん彼も悩み苦しんで別れを決意した。さの決意は鉄より硬い。

 彼とは会うたび、別れ話である。

 そして、最後の別れの日。彼は彼女の前で、大泣きした。いままで、彼のそんな姿を彼女はみたことなかった。あまりにも傷ついた彼をみて、真里菜は別れを決心した。

 こういう場合の別れは、すぐに別れるわけではない。今日別れて、明日から他人というわけにはなかなかいかない。二人の愛し愛された4年の歴史がある。その歴史は重い。。

 真里菜は、しばらく気がおかしくなった。自分の罪の深さと、失った彼の重さが同居していた。失って初めて、彼の大切さが分かったのだ。日常生活は墜落した空虚になり、何もするきが起きない。家の中にいても、彼と一緒に夕食を食べたテーブルにすがりつき、泣くだけ。涙が永遠に止まらない。

 そんな真里菜をみた、彼女の女友達は、真里菜を占いに誘った。真里菜と友達は占い好きである。いまの苦しい状況を何とか脱したいと思いから、友達の誘いに乗った。

 池袋、渋谷。二人の占い師に鑑定してもらった。ひとつはタロット、もうひとつは占星術。
占いの答えはどちらとも違う答えだった。占いで心が逆に振り回されたと、真里菜は言う。
 
 タロットの答えは、彼はあなたを嫌いになってます。これは修復不可能でしょう。辛いけど、あきらめて、次の恋へ進んだほうがいいでしょう。
 占星術は、彼はまだ、あなたのことを想っています。もう少し頑張れば彼はあなたを許してくれるでしょう。どこまで、あなたが頑張れるかがカギになります。

 一見すると、両方の占いの鑑定は違う鑑定だが、私は両方とも当たっていると思った。

 占い師は、自分の占いに自信をもっている。それなりの実績と経験を積んでいるし、自分なりの法則をちゃんと持っている。あとは、導いた答えをお客さんがどう判断すかどうかである。
 その中には良くするためのアドバイスが多く含まれている。そのアドバイスを有効に活用できるかどうかはお客さんの能力しだいである。

 そのことを真里菜に説明する。

 「そうなんだ、どうするか決めるのは自分なんだ」

 「ただ君には、それを決めるられる能力はない」 「え!」

 「今の君の能力では、前にいった占い師の答えが理解できてないというこです。頭で理解しても心で理解してないという意味です。心の底から求めて理解できれば、意志ができます。君がもし、また彼とやり直したいなら、彼以上の強い意志をもたないと無理です。それは、そうとうな忍耐が必要になります。そのためにも強い意志が必要なんです。それが持てないなら、彼のことはあきらめたほうがいいでしょう」

 「私あきらめません、頑張ります」と真里菜は簡単にいう。私は彼女の考え、頑張りだけでは無理だと思った。ただ、私の知識と能力が真里菜と融合できれば、可能かなと考えた。

 「分かりました。それでは、私があなたのコーチになります」  「コーチ?」

 「そうです、あなたの専属コーチです。これからはコーチの指示に従ってください」

 「この問題は、あなたのようなシロウトでは解決しません。ということは、あなた一人ではうまくいかないということです。シロウトがプロになるまで、コーチが指導しなくてはなりません」

 「もちろん、多少お金もかかります。時間もかかるでしょう。また、うまくいくという保障はありません。それでもよろしければ、彼とよりをもどすために最善を尽くします」

 「最善って?」

 「奇跡を起こすための、具体的な計画です。その計画は、あなた一人では辛くてできません。だから、私がコーチとしてサポートします」

 「・・・」真里菜は考えた。・・・そして考えた結果、その条件を受け入れた。

 「やります」と真里菜は言った。意志が見えてきたのである。

 その意志は、川越占い館で「伝説となった」。。。。

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