「まず、彼と連絡取り合わないといけないね」
「それが、何やってもダメなんです。メールや電話を何回もしてるのに、返事よこさない」
「いい加減、萎えてきて、彼に連絡する気もなくなってきました。もう疲れた・・」
彼女は、何回かメールや電話してるのに、メールの返信はなし、電話にもでない状況である。彼の性格を判断すると、もうあんな女とはおさらばだ、これは悪夢だ、この嫌な問題は逃げていればいい、いずれ解決するだろう。そうだ、きっと彼女は自分で中絶するだろう。中絶費用請求されたらどうするか、そんなもの金がないから払えるわけない。そうだ、オレは知らないと言って無視すればいい。
こういう状況で逃げる男は、たいていが自分の都合で物事を考えがちである。たとえ、好きな女でも、責任という重い荷物からは逃げたいのである。逃げていれば、何とかなるという甘い考えである。そういう男の場合は男の弱点をつくのである。
「男の弱点?」・・「そうです男の弱点です」
男の弱点は、社会人であれば、直属の上司である。仕事や社会でトラブルが生じたとき、相手の対応が悪い場合、直属の上司に言うのが一番効果がある。男は何より直属の上司が一番恐いのである。
そして恋愛関係においては、彼女の親、特に父親が一番恐いのである。
それからもっとも効果がある彼の直属の上司は、「彼の母親さ!」。「あいつの母親?」
「そう、彼はマゾコンで母親に頭が上がらない、そして母親にしかられるのを一番恐れている。おそらく君が妊娠したこと、彼はまだ母親に話しをしてないだろう。いや、彼の性格上できないね。」
「でも、私は自分の母親があいつの家にいくの止めたし、まして彼の母親に会いたくない」
「彼の母親に、今君が会う必要ない。いずれ、親同士で話し合う機会はでてくる。その前に二人で話し合う必要があるだろう。そのために、彼の母親という存在を有効に活用するのさ」
「活用って。どうするの?」
「また、演技メールをつくるのさ、彼は電話にはでないけど、メールはみてるはず、不安でしかたないから、君からのメールは必ずみている」。。そして、メールをつくる。内容は、○○から、連絡来ないから、うちのお母さんが○○のお母さんに会うと言ってる。私は止めたんだけど、うちの母は言い出したら聞かない、どうしょう。○○と相談したんだけど、連絡くれないかな。
「この内容だと、彼すごく怒るわ」 「それが作戦さ!」 「え!作戦?」
「彼の感情に動揺を与えるのさ、たぶん、テメーよけいなことしやがってと怒るだろう、それがねらいさ、まず、君に大事なのは、彼がそのことでキレようが怒り狂おうが気にしないことだ。」
「彼の気学の性格上、始めは怒るだろう、でもやがて反省に変わる。そして真剣に物事を考える」
「その時点で君が冷静に話をリードしてもっていく、いいかい彼がどんなに怒り狂おうが君はあくまで冷静に対応するんだよ。それさえできれば、今後のことはちゃんと話をすることができるから」
彼女は納得して、メールを送信した。